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《FRACAP/フラカップ》

イタリアのレザーシューズといえば、細身の美しいフォルムからなる洗練された高級紳士靴をイメージしがち。

事実、イタリアの伊達男たちの足下を彩るそれらの高級紳士靴は、世界中のファッショニスタを虜にしてやまない。

そんなシューズももちろん素晴らしいけれど、今回注目するのは世界的なカジュアルレザーシューズの大定番を生み出したイタリアの老舗シューズブランド《フラカップ》。

ファッションに興味のある人には、ぜひとも知っておいてほしいブランドだ。

《フラカップ》の創業は1907年。

南イタリアにある小さな街、モンテローニにて、創業者のアントニオ・カペッロが一足のシューズを手づくりしたことからその歴史をスタートした。

ほどなくしてアントニオは、農民のためのブーツを生産するビジネスを始める。

そのアントニオがつくったシューズの優れた強度と耐久性は評判を集め、着実に業績を伸ばしていった。

しかし1914年、順風満帆だった彼のビジネスに危機が訪れる。

第一次世界大戦の開戦により、事業の休止を余儀なくされてしまったのだ。

その後、戦後の1919年には再び事業を再開。

伝統的なイタリアンシューズの製法を守りながら、彼は理想のシューズを生み出すことに没頭した。

強度、耐久性、デザイン性に優れたシューズを生産し続け、ついにはイタリア全土に広く知られる存在に。

いつしかその高品質なモノづくりはイタリア国民だけに留まらず、政府機関からも注目を集めることとなる。

そして、イタリア軍やイタリア特殊警察などにシューズを供給するようになり、世界中に《フラカップ》製品の高いクオリティが知られることとなった。

以来、100年以上にわたり、伝統的なイタリアンシューズの製法を守りながら、創業の地モンテローニにおいて、熟練職人の手を介した丁寧なシューズづくりを続けている。

写真のシューズ「R007 サンダロ」は、そんな歴史のある《フラカップ》を代表するモデルの1つで、イタリアの高級紳士靴とは一線を画す丸みを帯びたトゥデザインが特徴。

パッと見はカジュアルだが、実際に履いてみるとレザーの上質感やミニマルなシルエットにより、さり気ない上品さが演出される。

カジュアルな装いはもちろん、かっちりめにだって寄り添ってくれるあたりはさすが、ファッション大国イタリアが生み出した大定番シューズだ。

《フラカップ》はその他、紳士靴からマウンテンブーツ、サンダルまで、多彩なコレクションも展開しているので、ぜひ注目してみてほしい。