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File no. 160
《STETSON/ステットソン》
ファッションアイテムとして、もっとも一般的なハットってなんだろう?
そう考えた時に、おそらくパッと浮かんでくるのは「中折れハット」ではないだろうか。
古き良きアメリカを題材にした映画には、必ずといっていいほど中折れハットが登場する。
ビシッとスーツでキメたハードボイルドな探偵やビジネスマン、マフィアなどはもちろん、西部劇の主人公までがこぞって着用しているのだ。
それもそのはずで、中折れハットはアメリカでは一般層に広く浸透しており、大統領を筆頭にアメリカ国民に親しまれてきた国民的な帽子なのだ。
そんなアメリカで、今から150年以上も前から愛され続けてきた中折れハットの老舗ブランドがある。
それは《ステットソン》だ。
ここでは、その歴史と魅力に触れてみたい。
《ステットソン》の創業者であるジョン・バタソン・ステットソンは1830年、帽子ビジネスで成功していた父、スティーブンのもとに12人中の7番目の子どもとして、アメリカ東部のニュージャー
ジー州オレンジで生まれた。
20代で結核を患ってしまったジョンは、健康を回復するために西部へと旅立つことになる。
この西部への移住が多くの豊かな経験を積み重ねるきっかけとなり、結果的に健康を取り戻す。
強い精神力と自信を身に付けたジョンは1865年にフィラデルフィアに戻り、姉から60ドルを借りて帽子の製造販売を始めた。
これがアメリカを代表する偉大な帽子ブランド《ステットソン》の始まりだった。
1869年には出会ったカウボーイに頼まれて売った帽子を再現し、この帽子を「ボス・オブ・ザ・プレインズ(平原の大将)」と名付け販売。
後に、この帽子が《ステットソン》をアメリカのシンボルへと導くことになる。
アメリカが建国100周年(1876年)を祝う頃、《ステットソン》は多数の賞を獲得しており、各界から高い評価を得ると共に大企業としての地位も確立。
すでに国際的にも注目される存在となっていた。
そして20世紀に入るとさらに大躍進を遂げる。
次々と革新的な製品を生み出し、1920年代にはハリウッドの大スターや政治家に加え、流行に敏感なセレブたちをも虜にした。
また、大統領や立候補者に名前入り帽子を製作・提供するようになった。
その後、大恐慌や大戦など多くの苦難を乗り越え、現在へと進化を続けてきた《ステッドソン》。
歴代の愛用者には、各時代を象徴する著名人がずらりと並ぶ。
その事実こそが《ステットソン》の魅力を雄弁に物語っているのだ。
Information
ステットソン ジャパン
tel:03-5839-2098
www.stetsonhats.jp
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Trade Model :
HONEY DRIPPER
1938年発売の《ステットソン》を代表するモデルの1つ「ウィペット」の初期のスタイルを再現した日本限定スペシャルモデル。
オリジナルモデルはイギリスの競争犬「WHIPPET(ウィペット)」のように、シャープかつ力強い帽子をイメージしてつくられた。
素材には、ウールよりも希少なラビットファーを採用。
クラウンとブリムの比率もアジア人の頭の形に合わせて調整されている。
ウールの密度が高く、その印象は上品だ。
¥46200