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File no. 202
《KANELL/カネル》
フランス北西部ブルターニュ。
海洋産業の中心地として知られるこの地で 1923 年に誕生した《カネル》は、現存するブルターニュ最古のマリンボーダーブランドである。
創業者ピエール・ブレストは若き頃、複数のアパレルメーカーでセールスマンを務めながら地域に根付く横縞模様のニットセーターに商機を見出した。
当時のフランスでは船乗りの服を意味する「マリニエール」、またはブルターニュ地方の船乗りが着たことに由来する「ブルトンシャツ」と呼ばれ、海の男たちの象徴とされていたが、このセーターを商業化しているメーカーはなかった。
そこで彼は中古編み機を手に入れ、自らの手で製造に挑戦。
やがてブランドの原型となるモデルが生まれ、1923 年に《カネル》 の名で販売を開始した。
ブルターニュの海とともに育まれたマリンボーダーはフランス海軍の制服としても採用され、フレンチカジュアルの象徴へと成長していく。
その文化的背景には、ブルターニュが長く漁業と航海の拠点として栄えた歴史があり、潮風や日差し、過酷な労働環境にも耐える丈夫な衣服が求められてきた土壌がある。
《カネル》 の製品は、そうした地域の生活と切り離せない実用性を備え、同時にシンプルで力強い意匠で多くの人々に親しまれた。
1927 年には法人化を果たし、社名とブランド名を刷新。
順調な成長の中でフランス軍へのユニフォーム供給も実現し、その品質は国家レベルでも認められた存在となる。
また、国内外のデザイナーやブランドとの協業を積極的に行い、伝統的なマリンウエアに現代的な解釈を加えたコラボレーションも多数発表。
ワークウエアの耐久性と時代に応じたデザイン性を両立する姿勢は、創業から変わらぬ同社の信条である。
写真の「ボナパルト」は、1858年にフランス軍が制服用に定めた、ボディ21 本+袖 15 本=合計 36 本のボーダー(白い部分)を全サイズで再現したモデルである。
この本数は、近代戦術の基礎を築いた英雄ナポレオン・ボナパルトの 36 戦全勝に由来するとされる。
サイズごとの着丈差に合わせ、全ボーダーの幅を微調整しなければ実現できないこの仕様は、生産効率を度外視した希少なディテールだ。
横編み機による柔軟な調整技術で、量産が不可能とされた ” 真のマリニエール ” を現代に甦らせた《カネル》。
ブルターニュの海で培われた伝統と、創業者から受け継いだ職人技が息づく一着だ。
Information
エムジェイキュー
tel:03-3542-0393
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Trade Model :
BONAPARTE
全サイズで36本のボーダー柄を再現。一般
的なバスクシャツに比べて約二割多くコット
ンを使用し、横編み機で極限まで度目を詰め
た重厚な編地は "船乗りの鎧" と称されるほ
ど屈強。それでいて柔らかく、洗うほどに編み目
が締まりドライタッチに変化する。肩は補強を
兼ねた二重仕立て、脇下には特殊な三角マ
チを備え、縫い目のゴロツキを抑えつつ可動
域も確 保。裾や袖 口の端 始 末は編み込み
仕様で耐久性と快適性を高めている。
¥18480
