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File no. 162
《HOUBIGANT/ウビガン》
香りを大切にするヨーロッパ各国には数えきれないほどのフレグランスブランドが存在しているが、その中でも特に長く、深く、広い文化を持ち、ブランド数も多いのがフランスといわれている。
フランス国内だけでも驚くほどたくさんの有名なブランドが存在し、創業100年を超えるという老舗もザラ。
今回はそんなフランス発祥であり、世界でもっとも古い歴史を持つともいわれる権威あるフレグランスブランド《ウビガン》に注目し、その長い歴史に触れてみたい。
《ウビガン》は、創設者であるジャン・フランソワ・ウビガンが、1775年にパリのフォーブール=サントノレ通り19番地に"花の籠"という手書きの看板を掲げた香水店をオープンしたのが始まり。
創設からすぐに王侯貴族に愛され、顧客の一人だったマリー・アントワネットはフランス革命でギロチンに掛けられるその時まで、肌身離さずウビガンの三本の小瓶を胴衣に忍ばせていたというエピソードが残されている。
また、かの皇帝ナポレオンが戦役中も《ウビガン》の香りを片時も手放すことなく、百日天下の時に最初に取り掛かったのは戦争の準備と《ウビガン》での買い物だったという逸話も。
それほど貴族にとって《ウビガン》の香水は手放せない身近な存在であり、深い繋がりがあったとされている。
その後もフランスの王族のみならず、英国王やロシア皇帝など、さまざまな国の王侯貴族らに愛用されるようになっていった。
1882年には、世界で初めて合成香料を使用した革新的な香水「フジェール ロワイヤル」を発売。
本来、香りのしないシダ植物を、高貴さという概念とともに抽象的かつシンボリックに香りで表現するという創造面での革命を成し遂げた。
この発明は香水のクリエーションに爆発的な表現の幅をもたらすこととなり、この地点から現代的な香水づくりがスタートした。
1912年には、世界初のマルチフローラルブーケ香水「ケルク フルール」を発売。
この香水こそフローラル系香水の始祖である。
この「ケルク フルール」は、イギリスのダイアナ妃がチャールズ王太子との結婚式で纏った香りとしても有名だ。
20世紀半ばには全世界に販売網を広げた《ウビガン》だったが、20世紀後半に一時的に販路を縮小した後、21世紀に入った現在では着実に販路を拡大しながら、その香りで世界を魅了し続けている。
その本物の香りに、ぜひとも触れてみてほしい。
Information
ノーズショップ
tel:050-2018-6146
https://noseshop.jp
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Trade Model :
Fougere Royale
1882年に発売された、世界初の合成香料を用いた香水「フジェール ロワイヤル」。
当時の香水界に衝撃を与えたと同時に、現代的な香水づくりのルーツとしても知られる伝説的な名香だ。
ベルガモットや地中海のハーブ、ラベンダー、カモミールなどのさまざまな香りを調香。
際立ったエレガントさと高貴さ、洗練された脈動と心地よい牧歌的な美しさを保持しつつ、現代的な香りへと昇華させた。
世界のジェントル御用達の銘品だ。
¥26400