25.OCT.2019

【J】 JAMES GROSE

1876年にイギリス・ロンドンで創業した名店が貴重なアーカイヴを復刻。

File no. 088

《JAMES GROSE/ ジェームス・グロース》

これまでは、その多くが謎に包まれていたが、昨今徐々にそのベールが明かされ始めた英国発祥の老舗ブランドがある。
レザージャケット好き、特にライダースジャケット好きにはもちろん、ファッションに興味を持つすべての人が知っておいて損はないブランドだろう。

 

それは、英国史に名を刻む名門《ジェームス・グロース》だ。
同ブランドが持つ歴史は古く、イギリス・ロンドンで 1876 年に創業。

 

現在でこそ《ジェームス・グロース》のブランド名を冠しているが、創業当初は小売店としてスタートしており、その店名が《ジェームス・グロース》だったという。
同店はバイシクルやモーターサイクル、カーグッズ、アクセサリー、ウエア類などを取り扱うストアとして徐々に発展し、着実に英国国民の信頼と支持を集めた。

 

1950年代に入ると二輪、四輪関連の製品に加えて、スポーツ用品全般、アウトドア用品までを取り扱うデパートメントストアとして親しまれるようになり、この頃にはすでに自社ブランドの展開をスタート。

 

1950-60年代のイギリスを代表する二輪誌であり、現在は当時のモーターサイクルシーンを知る上で貴重な資料として取り扱われる「The Motor Cycle」誌の広告にも、頻繁に《ジェームス・グロース》が掲載されている。
それほど当時の英国においてメジャーな存在となっていた。

 

ちなみに、現在のファッション史に色濃く影響を与えた英国発のカルチャー「ロッカーズ」は、1950年代後半に誕生している。
その当時のロッカーズたちがカフェレーサータイプのモーターサイクルに跨り、《ジェームス・グロース》のライダースジャケットを身に着けていたことは容易に想像できるはずだ。

 

その後も着実に発展を続け、ロンドンの中心地で長らくランドマークとして君臨した同店だったが、英国全土を襲った経済停滞の波には抗えず、惜しまれながらも1971年に一旦その歴史に幕が降ろされてしまう。

 

《ジェームス・グロース》が多くの謎に包まれている理由はここにある。
しかし、歴史ある名店は、2016 年に1つのブランドとなり、その歴史を再び紡ぎ始めた。

 

かつての英国のモーターサイクリストを守ったライダースジャケットは現在、イーストロンドンにある専門工場で一点一点、ハンドメイドにて生産されている。
写真のライダースジャケットは、1950 年代に発売されていたアーカイヴを基に現代的なアップデートが施された逸品だ。
英国の伝統を受け継ぐ一着、どれほど着心地がいいことだろう。


Information

グリニッジ ショールーム

tel:03-5774-1662
http://greenwich-showroom.com

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Trade Model :
RACING JACKET

5 0 's に《ジェームス・グロース》から発売されたオリジナルレーシングスーツのアーカイヴをベースに、上着部分のみを現代のファッションで着やすい仕様へとアップデート。

基となるレーシングスーツは、著名な古着コレクター「THE VINTAGE SHOWROOM」のコレクションにも収蔵されており、著書である「VINTAGE MENSWEAR」にも掲載されている。

ボディに使用したレザーの種類によって価格が異なる。
¥115000~¥125000

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