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File no. 019
《SEIKO / セイコー》
精工なものづくり。
それは、古くは日本刀から伝承され、今や世界に知られる日本の代名詞ともいえる言葉だろう。
そして、その形容詞をブランド名に掲げる《セイコー》も同じく、国内外を問わずに認知される日本の代表的な時計銘柄であることは周知の事実だ。
同ブランドは1881年、創業者の服部金太郎が《セイコー》のルーツとなる『服部時計店』を京橋区采女町(現在の銀座五丁目)にオープンしたことに始まる。
はじめは主に輸入時計の卸しや小売り業を中心としていたが、1892年には時計製造工場《精工舎》を設立。
その約2ヵ月後に掛時計を製造し、1895年に自社初となる懐中時計「タイムキーパー」を発売、1910年にはテンプの命ともいえるヒゲゼンマイの国産化を実現する。
こうして、ストイックに日本の腕時計産業の歩みを進める中、3年後には日本初の腕時計「ローレル」を誕生させる。
その当時、最小の懐中時計に搭載されていたムーブメントが直径36mmだったのに対し、「ローレル」には直径27mmの手巻きムーブメントを採用。
つまり、大幅な小型化にも成功していたことになる。
1923年の関東大震災での壊滅的な損傷を乗り越え、翌年からはついに《セイコー》ブランドとして初の腕時計を発表。
1956年なると国産初の自動巻腕時計「オートマチック」をリリースするなど、その後も時計製造技術を高め続けた同ブランド。
1960年12月には、世界最高基準とされていたスイスウォッチに追いつき追い越す”偉大なセイコー”という願いを込めて《グランドセイコー》をスタートさせる。
当時は規定をクリアしていたためにクロノメーターを文字盤に表示していたが、CICC国際クロノメーター管理委員会から自社検定したものにクロノメーターを使用してはいけないというクレームがついたため、1966年よりそれ以上に厳しいGS規格(グランドセイコー規格)を制定。
以後、スイス・ヌーシャルテルの天文台コンクールでの入賞やスイスの高級時計メーカーの脅威となり”クオーツ・ショック”を巻き起こしたことでも有名な世界初のクオーツウォッチ「クオーツアストロン」の発表、同じく世界初となる多機能デジタルウォッチの発売など、挙げればキリがないほどの業績を残してきた《セイコー》。
質実剛健で生真面目なものづくりと、その確かな技術と知識を糧に生み出されたユニークなものづくり。
そんな唯一無二の武器とともに、これからも日本を代表する腕時計ブランドとして新たな時を刻んでいくことだろう。
Information
セイコーウオッチ お客様相談室
Tel: 0120-061-012
http://www.seiko-watch.co.jp
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Trade Model :
Grand Seiko
MECHANICAL
HI-BEAT 36000
1960年に初代モデルが誕生し、世界最高レベルの高精度を誇る《グランドセイコー》の名作。
伝統と進化を共存させた逸品で、モデル名の"36000" は心臓部のテンプが1時間に振動する数字を意味している。
(※1秒間に10回)いわゆる見せるための優美なデザインに走ることなく、端正に仕上げられている品のよさがなんとも好印象。
シンプルな表情にさりげなくアクセントを与える秒針の挿し色も小粋だ。
¥600000