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File no. 047
《Paraboot / パラブーツ》
ファッション業界の第一線で活躍するスタイリストやブランド関係者などの間で《パラブーツ》の愛用者が多いことは、いまや周知の事実となっている。
多くのシューズを知る目の肥えた彼らが、それでも同ブランドのシューズを選ぶのには、きっと深い理由があるのだろう。
今回はフランスを代表するシューズブランドの歴史を紐解いてみる。
《パラブーツ》を展開するリシャールポンヴェール社の歴史は1908年、フランス・ヴォアロン地方の靴職人であるレミー・リシャール・ポンヴェールが開いた小さな靴工房から始まった。
1927年、滞在先のアメリカで入手したラバーで覆われた一足のブーツとともに帰国したレミーは、その靴をヒントにブラジルのパラ(PARA)港から直輸入されていた天然ラテックスを底材に使用したシューズを着想。
その後、自らが立ち上げたブランドに《パラブーツ》というブランド名を付けた。
輸入したパラゴムを原料に独自のゴム合成法を開発し、特許を取得。
そして、自社でラバーソールを製造する世界で唯一のシューズメーカーとなった。
このラバーソールを備えたシューズは堅牢で磨耗に強く、コンフォータブルな履き心地が評判となり、消防士や郵便配達人、軍人らの間で優れたワークシューズとして支持された。
また、北極探検家のポール・エミール・ヴィクトール氏を筆頭に、多くの冒険家に愛用されたことで優れたアウトドアシューズとしての地位も獲得。
こういった経緯もあり、登山靴用に開発されたとされる堅牢な製法「ノルヴェイジャン・ウェルト製法」が《パラブーツ》の製造するシューズに用いられるようになり、ブランドを象徴する技術として広く知られるようになった。
ワークシューズとして、そしてアウトドアシューズとして磨かれ手に入れた機能性と耐久性。
この2つの要素を兼ね備えたシューズだからこそ、一流を知る人々がこぞって愛用し続けるのだろう。
代表的なモデルには、Uチップの「アヴィニョン」、チロリアンシューズの「ミカエル」、ダブルモンクストラップの「ウィリアム」、そして今回紹介するUチップの「シャンボード」などが挙げられる。
ワーカーや冒険家に認められた機能美はもちろんのこと、コーディネートの汎用性が広いことでも評価が高い《パラブーツ》は、オールウェザー仕様の銘シューズとして現在も世界中の人々に愛され続けている。
Information
パラブーツ青山店
Tel: 03-5766-6688
http://www.paraboot.com
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Trade Model :
Chambord / Lisse Noir
アッパーの素材には、十分にオイルアップされたカーフレザーを採用。 丈夫で雨に強いこのレザーは本モデル「シャンボード」のために開発された素材だ。
また、ソールにはオリジナルの「PARA-TEX(パラテックス)」ラバーソールを使用。 これはソールに空気を留める構造となっており、優れた衝撃吸収効果を実現している。
製法には、登山靴用に開発されたといわれるノルヴェイジャン・ウェルトが取り入れられている。
¥70000