31.MAY.2021

日本の見慣れたアーケード街のルーツはパリのパサージュ?

世界最大の観光国、フランス。その中でもmen’s FUDGEに欠かせないパリはフランス最大の観光都市であり、パンデミックがなければ、年間で約3200万人もの人が訪れる。"花の都・美食の都・芸術の都"と、いろんな形容をされるパリはとにかく歴史の息吹を街全体から感じることができるのが魅力。今回のお題『パサージュ』もいずれ訪問してほしい場所だ。

18世紀末~20世紀初頭にかけて建造されたパサージュは、馬車道と歩道の区別がない時代につくられた画期的な歩行者専用通路。平行して走る大きな通りと通りの間を横に突っ切るようにつくられている抜け道で、ガラス製の屋根がついているのが全体に共通するポイントです。

雨を凌げる環境もあり、人気となったパサージュは本来の目的である交通整備よりも徐々に商業的な側面が強くなってったんだとか。人が利用すること、人が集まる=商売というわけで、パサージュの両脇にはお店がずらり。いつしか商業施設になっていくわけなんだけど、そこが今回パサージュをおすすめするポイントになる。

どんどんパサージュができていくということは、商業的にはライバルが増えていく。そのため差別化として、床のタイルや屋根、建築の構えそのものに個性が生まれ、一口にパサージュといえないほどにその様相はさまざまに。事実、仕立て屋や靴屋、雑貨屋、本屋、飲食店などなど、衣・食・住すべてが揃っていたそうで、その名残は現在も残っている。目線を変えてみればかなりパサージュそれぞれに歴史的カルチャーを感じることができるってわけだ。日本でいうところの札幌狸小路商店街、仙台の一番町、東京中野区の中野サンモールや日本最大アーケード街、大分市ガレリア竹町みたいなものといえばわかりやすいだろうか? 街が違えば、そのつくりも雰囲気も陳列するものも違うので見るだけでもわくわくが止まらない。最盛期は100以上ものパサージュが存在していたそうだけど、現在は20を数えるほど。パリにとどまらずヨーロッパ全体に影響を及ぼしたパサージュは古の建築物を大切にするフランスのお国柄もあって守られているだけに、旅行に行った際にはぜひ訪れてほしいと思うわけです。

1826年から変わらず存在しているギャルリ・ヴェロ=ドダ。全長は80m。モノトーンのタイルと、重厚ウッド調の建物。丸い街灯がクラシカル!

 

パサージュ・デ・パノラマは全長133m。ここはビストロ・カフェ、雑貨などパサージュのいいとこどりで、醍醐味をぎゅっと凝縮したイメージ。

photo&text:編集部


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