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File no. 023
《Wrangler / ラングラー》
古くは労働者の象徴として、現在は街着の定番として長年に渡ってさまざまなライフスタイルに寄り添ってきたジーンズ。
その分野において《ラングラー》はデニム御三家の一角として名を馳せてきた。
ブランドが誕生した当時のアメリカは、大陸を東から西へと開拓していたフロンティアーズの時代。
それゆえに、労働者にとっての過酷な作業に耐えうる労働衣料が、食住と並んで欠かせないことは容易に想像できる。
この地に、生まれるべくして生まれた同ブランドの創業者はC.C.ハドソン。
正式には、閉鎖したオーバーオール製造工場から数台のミシンを買い取り、1904年に《ラングラー》の母体となるハドソン・オーバーオール・カンパニーを設立した人物だ。
15年後の1919年には社名をブルーベル・オーバーオール・カンパニーに改め、自社工場を保持するまでに成長。
ビジネスが順調に推移する中、1943年にはケーシー・ジョーンズ社を買収する。
その時、一緒に取得したのが《ラングラー》という商標だった。
捕捉だが、ラングラーとはカウボーイの意味。
のちにワークウエアのみならず、ウエスタンウエアまで分野を広げたのも頷ける名前といえるだろう。
1947年には、初となるジーンズの開発に着手。
それこそが、現在復刻されている「11MW」。
これはファーストモデルであり、現代の基本形へと辿り着く一歩前のプロトタイプである。
ただし、《ラングラー》のアイデンティティを表現するディテールデザインは、ほとんど完成されていた。
特筆すべきは、翌年誕生させたジーンズがハリウッド出身のウエスタン・デザイナーであるロデオ・ベンをデザイナーに起用した、世界初のデザイナーズジーンズであるということ。
今となっては何気ないことなのかもしれないが、リアルワーカーが着用するためという当時の背景を考えると、非常に新鮮なものといえるだろう。
そして、その頃から注力していたカウボーイのための意匠も注目を浴びる。
40年代から70年代にかけては銀幕の主役を務めるなど、カウボーイがヒーローであった時代。
彼らにとっての動きやすさはもちろん、嗜好を熟知したデザインは圧倒的な支持を得る結果となった。
その証拠に、1975年には60年代中期に生み出された「13MWZ」が全米プロ・ロデオ・カウボーイ協会の公認ジーンズとなっている。
リアルワーカーやカウボーイなどの米国文化とともに歩んできた《ラングラー》の歴史。
その古き良きアメリカンカルチャーを感じながら今の着こなしを楽しむ。
それもまた一興だ。
Information
リー・ジャパン
Tel: 03-5604-8948
http://www.wrangler.co.jp
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Trade Model :
Urban Street Line
High
過去のマスターピースを復刻したアーカイヴによるもの。
こちらは記念すべきファーストモデル「11MW」にジッパーフライが採用されたバージョンとなっている。
シルバーのネオバボタンに《ラングラー》のレッドロゴ刻印、縦ベル刺繍の愛称を持つレーヨンタグ、さらには窓付きフラッシャーなど、その当時さながらのディテールを忠実に再現。
まさに黄金期の雰囲気が感じられる仕様は、玄人も納得の仕上がりとなっている。
¥19000