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File no. 103
《Clarks ORIGINALS/クラークス オリジナルズ》
流行に左右されず、長い年月多くの人々に愛用され続ける製品を”大定番”と呼んだりするが、この大定番が誕生するにはいくつかの条件が整う必要がある。
まずは製造しているブランド、または会社が老舗であること。
次に、時代に関わらず人々にとって必要な存在であること。
最後に、その製品に色褪せない魅力が備わっていること。
もちろん、その他諸々の条件が奇跡的に整ってこその大定番だが、大きくは上記の3つが挙げられるだろう。
大定番を生み出すことは、とても難しいことなのだ。しかし、シューズ業界にはこれを多数保持するブランドも。
それは英国が誇る老舗シューズブランド《クラークス》だ。ここでは、多数の大定番を生み出したその歴史を辿ってみる。
《クラークス》は1825年、イングランド南西部の小さな町、ストリートに住むサイラスとジェームスのクラーク兄弟による小さな靴工場から歴史が始まった。
当時としてはまったく奇抜な、毛付きのシープスキンを使用したスリッパを発表。
このスリッパは大評判となり、本格的な製造に踏み切った。
1856年には世界のシューズメーカーに先駆け、アッパーとソールを接合するためのミシンを開発。
さらに1862年には、それまでに存在しなかったソールカットマシンを発明。
この発明によりシューズのクオリティを飛躍的に上げ、同時に効率化も実現した。
1887年にはトゥの基本型を設定。ポインテッド、ラウンド、ミディアム、スクエアなど、多くのトゥ型が設定されたが、もっとも大切にしていたのは人々の健康を考慮したトゥ型だった。
そして1950年、遂に英国市場に大定番の「デザートブーツ」が登場する。この「デザートブーツ」はデビューから今年で70周年を迎えるが、未だ色褪せることなく、新たに出会う人々にも新鮮味を持って受け入れられ、ファンを魅了し続けている。
ちなみに日本には、東京オリンピックが開催された1964年に正式に上陸した。《クラークス》が誕生させた名作シューズはその他にもある。1971年の「ワラビー」、1973年の「デザートトレック」、1977年に「ウィーバー」、1980年には「ナタリー」が日本に上陸。いずれもシューズ界を代表する名作であり、大定番だ。
現在はフォーマルシューズやコンフォートシューズ、サンダルなど、多彩な製品を展開。また環境問題への取り組みとして、可能な限りFSC(森林管理協議会)に属する供給元から素材を調達するなど、感銘を受けるその姿勢も魅力なのだ。
Information
クラークス ジャパン
tel:03-5411-3055
www.clarks.co.jp
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Trade Model :
Desert Boot
1950年に英国で市場デビューを果たした歴史あるブーツ。
アッパーには、トップクラスの品質を誇る同じ英国の老舗タンナーである《C.F.ステッド》社のスウェードレザーを使用。
それを丁寧に起毛させ、ベルベットのような仕上がりを実現した。
クレープソールは天然ゴム樹木からしたたる樹脂を手作業で入念にシート状に固めた後、耐摩耗を高めるため、さらに寝かせてから使用する。
弾力性に優れ、"返り" がいいのも特徴だ。¥23000