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《JANSPORT/ジャンスポーツ》

通勤や通学、ちょっとした外出など、今やバックパックは年齢や性別を問わず、日常生活に欠かせないツールの 1 つとなった。

そんなバックパックの先進国といえばアメリカだ。

自由の国アメリカでは、学生が通学用のカバンを自由に選べることが多く、その多くが手軽に使えるバックパックを選択する。

そうした環境の中でもっとも広く愛用されているのが 《ジャンスポーツ》。

アメリカ映画やドラマ、ニュース映像、雑誌といった日常を切り取ったメディアには古くからこのブランドのバックパックが登場し続けていて、まさにアメリカの暮らしに深く根付いた存在と
いえるだろう。

では、《ジャンスポーツ》とはどんなブランドなのか。

その歩みに目を向けてみたい。

始まりは 1967 年、エンジニアを志していたマレー・プレッツ、アウトドア愛好家の従兄弟スキップ・ヨーウェル、そして縫製の腕を持つマレーの恋人ジャン・ルイスの三人によって設立された。

マレーが開発した世界初のアジャスタブル・アルミフレームがアルコア社のデザイン賞を受賞したことをきっかけに、彼はジャンにフレームに合うバックパックのパターン製作を依頼。

その際、＂このビジネスが成功したら、君の名前を付けるよ＂とプロポーズしたのがブランドネーム誕生の由来に。

その後三人はフレームバッグの製造を本格的にスタートさせる。

1969 年には「D シリーズ」バックパックを発売。

ウッドストックやカウンターカルチャーにインスパイアされたフラワーパワー柄も採用された。

また、ワシントン大学の学生がハイキング用のデイパックに教科書を詰めて通学していたという実例から着想を得て、スクールデイパックを考案。

現在の＂キング・オブ・スクールバッグ＂の伝説はここから始まった。

同時に、本格的なアウトドアモデルの開発にも注力し、多くの登山家や冒険家の歴史的な快挙を支える存在となっていく。

1970 年には映画『イージー・ライダー』にインスパイアされ、星条旗モチーフのバックパックをデザイン。

これが国中に旋風を巻き起こす。

1972 年にはコーデュラ素材を採用し、耐久性をさらに強化。

1984 年にはスクールバッグの定番スタイル「スーパーブレイク」を発表した。

1990 年代になると、さらに重い荷物にも対応できるよう底面にスウェードを採用。

この仕様を取り入れたモデルとして誕生したのが、写真の名作「ライトパック」である。