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《HI-TEC/ハイテック》

イギリスのシューズといえば高級紳士靴、いわゆるハイエンドなレザーシューズを思い浮かべる人が多いだろう。

その強い存在感に隠れがちだが、実はスポーツやアウトドアの分野にも、歴史と実績を誇る優れたシューズブランドが存在している。

今回はその両シーンにおいて輝かしい功績を残してきたブランド《ハイテック》を紹介する。その知られざる偉大な歴史に触れれば、これまでのイメージが大きく覆されるはずだ。

《ハイテック》 は、1974 年にフランク・ヴァン・ヴェゼルがイギリスのシューバーイネス村に『ハイテック・スポーツ』社を設立したことから、その歴史をスタートさせる。

スポーツを愛するフランクは革新的かつ軽量で、履いた瞬間に心地よさを実感できるスカッシュ・シューズを開発した。

1978 年には、世界初の軽量ハイキングブーツ「シエラ・スニーカー」を発表。それまで＂重くて当たり前＂とされていたアウトドアシューズに＂軽量＂という新たな価値をもたらし、山岳スポーツシューズとしてアメリカ市場への進出を果たした。

1981 年にはイギリスのランニング市場を席巻する「シルバーシャドウ」を発売。

この年に開催されたロンドンマラソンでは、出場ランナーの約四人に一人が同シューズを選んだという驚くべき記録が残されている。

翌 1982 年にはアメリカ FBI から＂軽量で快適な運動用ユニフォームブーツが欲しい＂との要請を受け、《マグナム》ブランドが誕生する。

1989年には、146 マイル（約 234 キロメートル）のウルトラマラソンレースのために設計された「バッドウォーター」を発表。

トレイルランニングとロードランニングを融合させた画期的な機能性によって、このモデルはベストセラーとなった。

1992 年にはイギリスの名門プレミアリーグにおいて、52 人の選手が同ブランドのサッカーシューズ「キングスカップ」を着用してプレー。

また、1995 年に《ハイテック》 がウィンブルドン・テニス選手権の公式シューズに認定されるなど、スポーツ界における揺るぎない地位を確立した。

さらに 1996 年、ブランドのルーツである＂スポーツ×アウトドア＂を体現するイベント『アドベンチャー・レーシング・シリーズ』をアメリカで開催。

2000 年代に入ってもその勢いはまったく衰えることなく、革新的なテクノロジーを次々と開発し、その技術を搭載した魅力的なシューズを発表し続けている。