米国防総省に認められ、特殊工作員向けの腕時計を提供してきた老舗。

File no. 191

《BENRUS/ベンラス

腕時計の世界は広大で奥深い。

そこへ近年、スマートウォッチというカテゴリまで登場したことで、知識のない人にはもはや手に負えない状況となっている。

腕時計は好きだが、「何をどう選べばいいのか?」と迷っている人たちに、最初の選択肢として紹介したいのが《ベンラス》の腕時計だ。

実用性、デザイン性、知名度、ウンチク度のどれをとっても申し分なく、それでいてリーズナブル。

もちろん玄人の普段使いにもオススメしたい、まさにいうことなしの逸品である。

 

《ベンラス》は1921年、ベンジャミン・ラズラスと彼の二人の兄弟によってニューヨークで設立した。

ブランド名には彼の名の最初の音節と、家系の名の最後の音節が採用されている。

三兄弟は5000ドルの資金を用意し、優れたスイス製ムーブメントを輸入。

それをアメリカ国内で組み立てるという生産体制を確立した。

1923年に飛行家のチャールズ・リンドバーグを起用したキャンペーンを実施。

さらに野球の神様、ベーブ・ルースも広告に登場させ、その名を広めた。

 

1930年代にドレスウォッチの生産を開始すると、1940年代には世界をリードする航空会社と共同開発してクロノグラフを発表。

1960年代に入ると、インナーベゼルを装着した防水腕時計「ウルトラディープ」で人気を博した。

第二次世界大戦後、急激な景気回復と需要拡大の波に乗る《ベンラス》は機械の調達に苦しむ他メーカーを尻目に、創業当初から築いていたスイスメーカーとの太いパイプを活かして需要を一気に吸収、急成長を遂げた。

 

1960~1970年代には、ベトナム戦争で使用される軍用時計として米陸海軍向けに腕時計を製造するなど、政府御用達の軍用時計メーカーとなる。

1964年にはベトナム戦争に関連するフィールドウォッチ「MIL-W-3818」を受注。

そして1972年には写真のモデル「タイプ1 シルバー」の元となるMIL-W-50717の仕様を満たしたダイバーズウォッチ「ベンラス タイプI」をリリース。

さらに1979年には、同じくMIL-W-50717の仕様を満たした「ベンラス タイプII」を発表した。

 

タイプIを筆頭に、かつて《ベンラス》が生み出したアメリカ史に残る歴史的腕時計は、現在も手に入れることが可能。

アメリカ国防総省が定めた厳格なミルスペック規格のもとで磨かれ、無駄を削ぎ落とした究極の機能美は、半世紀を経た今もなお色褪せることのない魅力を放っている。


Information

マーサインターナショナル

tel:03-3527-3920
https://benrus.jp
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Trade Model :
TYPE-I SILVER

1970年代に米軍のUDT(水中破壊工作部隊)、CIAエージェント、ネイビーシールズ、および深海潜水や特殊部隊に所属する特殊工作員に提供できる、非常に堅牢な腕時計として製造された由緒あるミリタリーウォッチの復刻モデル。当時の資料(MIL-W-50717)を元に、忠実に再現された注目の一作だ。本作はオリジナルの仕様であるシルバーケースモデルで、ケース幅は42㎜と程よく、ケース厚は16㎜。頼もしい10気圧防水。

¥33000

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