15.MAY.2016

【T】 Tricker’s

ロイヤルワラントに認定される
英国カントリーシューズの代名詞。

TBD

File no. 020

《Tricker’s / トリッカーズ》

 

イギリスの代表的なシューズの1つとして、長年愛され続けているカントリーシューズ(ブーツ)。

その上品なデザインから一見、ドレスシューズのように勘違いされることも多い靴ではあるが、起源を辿れば名前の通り田舎道の悪路を想定したものである。

もともとは通気性を高めつつ泥や水の排水口として配されたメダリオンやブローグ、タンを最上部まで縫い付けて内部への異物侵入を防ぐためのフルベロー、防水性を高めるストームウェルトなど、単なる飾りとしてだけではなく、機能美として生み出されたウィットに富んだディテール。

それらの姿形を変えることなく、およそ2世紀に渡って継承し続けているのが特徴だ。

 

このシューズを思い描いた時、真っ先に万人の頭に浮かぶブランドといえばやはり《トリッカーズ》をおいて他はないだろう。

それもそのはず、イギリスでもっとも長い歴史を持つシューズメーカーの1つである同ブランドの始まりは、1829年にまで遡る。

靴作りの名手であったジョセフ・トリッカーにより、英国の靴生産の聖地として名高いノーザンプトンに設立された《R.E.Tricker》社は、その卓越した品質と耐久性から瞬く間に地主階級や農場の所有者に好まれる頑丈なカントリーシューズメーカーとしての地位を確立していく。

ハンドメイドであることはもちろんだが、1足250以上もの製作工程を1人の熟練の職人が担当するベンチメイドは、当時から現在まで受け継がれている同社ならではのスタイルだ。

 

また、ファミリービジネスを一貫することで妥協を許さず、本物のものづくりを追求し続けているのも有名な話。

創業者から数えて現在、5世代に渡って受け継がれるクラフトマンシップはそのスタイルに、そしてシューズに宿っている。

さらに、メイド・トゥ・オーダー(注文生産)とレディー・メイド(既製品)を取り扱うことで、顧客満足度の高いサービスを提供し続けているのも特筆すべきポイントといえるだろう。

 

こうして、長きに渡ってカントリーシューズにめまぐるしい進化と発展を加えてきた同ブランド。

1926年には、現在広く知られているフォルムに到達しており、新たなカントリーシューズの世界的な基準を打ち立てることとなった。

その功績は、1996年にチャールズ皇太子からロイヤルワラント(皇室御用達)に認定されたことが証明している。

 

ものづくりに真正面から向き合い、逸脱することなく本物だけを作り続けてきた《トリッカーズ》。

その本物たる所以を、実際に足下から感じてみてはいかがだろう。
 


Information

ジャック・オブ・オール・トレーズ

Tel: 03-3401-5001
http://www.trickers.com

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Trade Model :
M7292 Keswick


《トリッカーズ》の人気品番「M7292」。

悪天候をものともしないタフなシーシェイドアッパーに加え、ウィングチップやメダリオン、ブローグにストームウェルト、フルベローなど、まさにカントリーシューズのルーツが堪能できる仕上がりとなっている。

また、クラシカルなダービータイプなのでスラックス、デニム、チノと、ボトムスを問わずに履き込めるのが◎。

足下にポイントを置きつつ夏でも履けるというのも、ブーツにはない魅力といえるだろう。
¥78000

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