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File no. 106
《patagonia/パタゴニア》
現在、自然に存在する資源を長い期間維持し、環境に負荷を掛けないよう努力しながら利用していく “サスティナブル” という新しい概念が世界を席巻している。
クロージング業界はもちろん、その他のすべての業界においても自然環境に配慮したビジネスが求められているのだ。
ようやく世界規模に広がったこのムーブメントだが、実は今から約50年も前から同様の概念を企業理念に掲げ、世界に提唱・実践し続けてきたブランドがある。
それはアメリカを代表するアウトドアブランド《パタゴニア》だ。
ここでは同ブランドの歴史と偉大な功績を辿る。
1957年、創業者であるイヴォン・シュイナードは、カリフォルニア・バーバンクにある両親の自宅の裏庭でクライミングの道具をつくり始めた。
その後、前身となる《シュイナード・イクイップメント》を設立。
1970年代に入ると、同社はアメリカ最大のクライミングギアのサプライヤーになるまでに成長していた。
しかし、岩壁を傷つけるギアをつくり、自然に害を与えていたことを悟り、その製品の製造と販売を中止。
岩壁を傷つけない代替え製品を新たに開発し、販売し始めた。
この勇断こそ《パタゴニア》の自然環境に配慮した製品づくりの原点であり、スタートだった。
クライミング用のウエアを中心に取り扱う衣料品が増え、1973年には《パタゴニア》を設立。
1980年代になると、まったく毛玉にならない両面起毛のシンチラ・フリース、新開発のキャプリーン・ポリエステル製のアンダーウエアなど、革新的な製品を世に送り出した。
1991年には、環境アセスメントプログラムを開始し、自社製品に使用する7つの繊維、ウール・ポリエステル・ナイロン・コットン・ヘンプ・リネン・レーヨンについて、そのライフサイクルを分析。
石油からつくられる合成繊維だけではなく、天然素材の製造方法までを改めて見直した。
その後も、使用済みペットボトルをリサイクルした再生ポリエステルを製品に採用、コットン製品を化学殺虫剤や除草剤、遺伝子組み換えの必要がないオーガニックコットンに切り替え、100%トレーサブルダウンの採用、植物由来の新素材によるウェットスーツの開発など、環境負荷を低減しつつ、着心地や機能性を進化させた革新的な製品の開発と販売を持続している。
ともすると、《パタゴニア》の知名度やデザインの秀逸さばかりに目を奪われがちだ。
しかし、今後はその製品の裏側にあるストーリーにも、ぜひ注目してみてほしい。
Information
パタゴニア カスタマーサービス
www.patagonia.jp/contact
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Trade Model :
Men’s Better Sweater Jacket
なんとジッパーの歯以外のすべてに、リサイクル100%の素材を使用した「メンズ・ベター・セーター・ジャケット」。
製造する工場に関してもフェアトレード・サーティファイド縫製を採用している。
外側はセーターニット、内側はフリース仕上げとなっているため、伝統的なウールの装いながらもポリエステル・フリース特有の吸湿発散性を備えている。
柔らかくて温かく丈夫、嵩張りとは無縁の軽い着心地がクセになる。
¥17000