28.NOV.2015

【I】 IWC

"時計産業の孤島"から世界基準の針を作動させる成熟のクラフトマンシップ。

TBD

File no. 009

《IWC / アイ・ダブリュー・シー》

若年層まで携帯電話が普及し、液晶画面で時刻を確認するという人も今や少なくない現代。

また、その風潮からか趣味嗜好として、またある種のステータスとして捉えられることも少なくない腕時計。

おそらく、その感覚も間違ってはいないが、本来の役割は精密な時を刻むこと。

そうった意味で、このご時世でも不変の価値を保っているのは、やはりスイスウォッチだろう。

そして、今なお世界基準の憧れとして輝く歴史は《IWC》なくては語れない。

 

《IWC》の創始者は、エンジニアであり時計技師であった、フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ氏。

彼は若くしてアメリカ有数の時計メーカー、E. ハワード ウォッチ&クロック・カンパニーの副社長兼製造マネージャーに就任した人物。

米国の時計製造方法が世界でもっとも先進的とされていた当時。

そこで培われた経験を糧に、若干27歳にして”スイスが誇る優れた職人と海外の近代的な工業技術の融合” を目指し、大西洋を渡る。

そして辿り着いた土地こそが、スイスのシャフハウゼン。

スイスの大半の時計マニュファクチュールはフランス語圏に本拠地を置いているため、この地は時計産業における陸の孤島ともいえる存在。

しかし、時計製造の歴史に残る最高傑作の1つ、ストラスブール大聖堂の天文時計を造ったことで世界的な名声を得た職人、ハブレヒト一家の故郷もここシャフハウゼンだった。

 

1868年、この時計の聖地からスタートをきった《IWC》。

アイデンティティは、熟成と継続を繰り返し、完璧な技術を追求すること。

その姿勢から生み出された時計の数々は、どのモデルをとっても繊細さと真摯さが感じ取れる。

75 周年を迎えた「ポルトギーゼ」コレクションも、まさにそんなスタンスの象徴。

誕生のもとを辿れば、1930年代に訪れたポルトガルの時計商が、マリン・クロノメーターに匹敵する精度の腕時計を注文したこと。

その要求に応える唯一の方法として、大型のポケットウォッチ・ムーブメントを腕時計のケースに収めた。

それにより、腕時計の新たな精度の基準を新たに打ち立てたとされている。

また、この当時人気を集めていたアールデコ・スタイルのスクエアケースを視野から外し、今の時代にもフィットする端正で飽きのこないデザインが採用された。

それは、その当時の理想とは相容れないものであったが、時代を遥かに先取りしたモデルとなっていることはいうまでもない。

 

最高峰の技術と美術を融合し、時計界のグローバルスタンダードを生み出す《IWC》。

今も、そしてきっと100年後も変わらず精密な時を刻んでいくことだろう


Information

IWC

Tel: 0120-05-1868
http://www.iwc.com/ja
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Trade Model :
Portugieser Automatic

記念すべき75周年を迎えた「ポルトギーゼ」コレクションの人気作。

極めてシンプルな文字盤にほっそりとしたリーフ針が佇む。

その気品溢れるデザインが、なんとも魅力的。

また、ペトラン自動巻き構造の一部には耐摩耗性に優れたセラミック素材を、香箱(ゼンマイを収める筒状の箱)を2つに増やすことで7日間というパワーリザーブをも実現。

デザインと機能美。

どちらをとっても、生涯付き合っていける逸品だ。
¥1450000

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