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《FRED PERRY / フレッドペリー》

大定番のファッションアイテムとして、春夏スタイルに欠かせない存在となっているポロシャツだが、もっとも偉大なポロシャツとは何かという問いがあれば、筆者は迷うことなく《フレッドペリー》の「M12」と答えるだろう。テニスの歴史、英国のカルチャーや音楽シーン、そしてファッションと密接に関わってきたポロシャツ「M12」。
それを誕生させた《フレッドペリー》の歴史を少しだけ紐解いてみる。

創業者のフレデリック・ジョン・ペリーは、1905年5月18日にイングランド北部の工業都市ストックポートで生まれた。
生まれ持っての才能と努力から19歳で卓球の世界チャンピオンになった2年後には、テニスのデビスカップメンバーとしてコートに立っていた。
のちのウィンブルドン3連覇をはじめ、全米選手権で3度、全豪、全仏選手権もそれぞれ1度ずつ制し、史上初のグランドスラムを達成した伝説のテニスプレーヤーだ。
また彼は、超一流のテニスプレイヤーだけではなく、同時にその洒落たスタイルからベストドレッサーとしても認められていた。

引退後の1940年代後半、当時はあまり優れていたとはいえなかったスウェットバンド（リストバンド）を開発し、フレッドペリースポーツウェアが事業として開始された。
その後、自然な流れでシャツの製造をスタート。この時、初めて正式にウィンブルドンから許可を得て、今日まで継承される月桂樹のマークが誕生する。
こうして、1952年に英国ロンドンで《フレッドペリースポーツウェア》社が設立された。

だぶだぶのシャツが溢れていたこの時代のテニスウエアに対し、あえて身体にフィットするテニスウエアを製造。
身体にフィットするこのシャツは革新的で格好よく、多くのテニスプレイヤーから着用されるようになる。
そして、その姿がテレビ中継を通して世界に発信されたことにより、ブランドとシャツの双方が世界的に知られる存在に。

その後、1957年に写真のポロシャツ「M12」が誕生。オリジナルの「M12」フレッドペリーシャツは、カラーの付いたティップライン（2本ライン）を持ち込んだ初めてのスポーツシャツだった。
以後、1960年代のモッズ、1970年代のパンク、1980年代のスキンズやルードボーイなど、英国を代表するカルチャーやシーンを牽引した時代のアイコンたちに「M12」は着用されてきた。
誕生から70年が過ぎた現在も、世界中で躍動する時のアイコンたちに着用されている。
今季、あなたも歴史的な名作に袖を通してみては!?