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File no. 097
《agnès b. /アニエスベー》
洗練されたシンプルなデザイン、それでいて程よいカジュアルさも香るファッションアイテム。
これは、特にシンプルやミニマルを好む本誌読者の理想系だろう。
今から40年以上も前に、そんな理想的なファッションアイテムを創造し、今現在も変わらない哲学で提供を続けているブランドがある。
ここで改めて紹介しておきたい。それは、フランス発祥のブランド《アニエスベー》だ。
1960年代に世界的な知名度を誇るファッションマガジン「ELLE」のエディターを務めていたアニエス・トゥルブレは、新しい可能性を求めて同誌を離れた。
そして、1973年にエディター時代に使用していた自身のサインからブランドロゴを考案し、《agnès b.(アニエスベー)》を創立。
1975年にはパリのレアール地区にある古い肉屋を全面改装し、最初のショップをオープンさせた。
この一号店はオフィスやアトリエとしてだけではなく、表現の場、あるいは出会いの場としても使われ、壁にはグラフィティやさまざまなポスターが貼られ、鳥が自由に飛び回り、座って会話を楽しみ、音楽を聴くことができる心地よい空間だった。
この場所に惹かれ、ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホルを筆頭に、各界のアーティストたちが足を運び親交を深めたという。
1979年になると、ファッション界に名を残す歴史的な名作「カーディガンプレッション」をリリース。
これは現在も発売され続けているロングセラーであり、写真のカーディガンも同作。
2019年には記念すべき誕生40周年を迎えている。
そして、1980年にはニューヨークのソーホー地区に初出店。
翌1981年にはパリのジュール通り二番地に子供服のライン《アニエスベー アンファン》、さらにパリのジュール通り三番地にメンズ服のライン《アニエスベー オム》の最初のショップをオープンさせた。
その勢いは止まることなく1984年に東京・青山に、1987年にはロンドンにも初出店するなど、世界中に数多くの店舗を確実に展開させてきた。
またアートやミュージックの分野でも活動の場を広げ、1984年に設立した《ギャラリー デュ ジュール》を介して、アーティストのサポートなども行ってきた。
さらに写真集の出版、エイズ撲滅活動、サラエヴォやコソボに対する支援、映画製作会社の設立、環境保護活動など、幅広い分野においても活動を展開。
これらすべてのアクションが、目に見えない魅力として《アニエスベー》のファッションアイテムに投影されている。
Information
アニエスベー
tel:03-6229-5800
www.agnesb.co.jp
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Trade Model :
CARDIGAN PRESSION
1979年に誕生した《アニエスベー》を代表するアイコニックアイテムの1つ「カーディガンプレッション」。
ルネッサンス調の服のように、スナップボタンをずらりと並べたデザインが最大の特徴。
シーズンによって素材やカラー違いなどの多彩なモデルを展開しているが、本作は裏起毛素材にパールボタンをあしらった定番。
ライトアウターとして幅広いシーンで楽しめる万能さも魅力で、服好きならぜひ押さえておきたい一着だ。
¥16000